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映画オタク。『パルク・フィクション』のブレイクによってその名を全世界的に知らしめたクエンティン・タランティーノは、そう呼ばれている。なにせ、1本の映画の中にありとあらゆる「映画的」要素が散りばめられているのだから。 たとえば、『パルプ・フィクション』のワンシーン。主人公ヴィンセントが彼のボスの妻ミアをエスコートするレストランでは、マリリン・モンロー、バディー・ホーリー、ジェーン・マンスフィールド、ジェームス・ディーンといった、50〜60年代のスターのそっくりさんが店員を勤め、古きよき時代のアメ車がボックス席となっている。まさに、50年代一色なのだ。 メニューを見ると、スターの名にちなんだ料理が並ぶ。ヴィンセントがオーダーするのはヴァニラ・コークと「ダグラス・サーク・ステーキ」。ミアは50年代にテレビのトークショーのアシスタントの名を取った「ダーワード・カービイ・バーガー」と、5ドルもするシェイクをオーダー。5ドルといえば、ファースト・フード店やダイナー(大衆食堂)では考えられないお値段。あまりの高さに、ヴィンセントは「バーボンか何か入ってるんじゃないか?」と思わずウェイターにたずねる。 |
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さらに、このシェイクのネーミングが、面白い。バディ・ホリーという名のウェイターは、ミアに「シェイクはマーティン&ルイス? それともエイモス&アンディ?」と尋ねる。そしてミアは何のためらいもなく「マーティン&ルイスで」と答えるのだ。いったい何のことやら・・・・。実は、マーティン&ルイスというのは50年代に活躍した白人のコメディアン、ディーン・マーティンとジェリー・ルイスのこと。そしてエイモス&アンディというのは同じく50年代のコメディ番組でおなじみの黒人ドラマのタイトル。ということは、白人であるマーティン&ルイスは「バニラ・シェイク」、黒人ドラマであるエイモス&アンディというのは「チョコレートシェイク」であると察知できる。 さて、この5ドルのシェイク、味の方はというと、ヴィンセントのお墨付き。ただし「5ドルの価値はあるかどうか、わからないけれど」と彼もいっている。果たしてネーミング・アイディア料として2ドルは取られているのかも・・・・。 |