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最初の夫に先立たれ、2度目の結婚を控えているロレッタは37才。ニューヨークはブルックリンに暮らす、イタリア系アメリカ人だ。母親と同居しているが、この母が朝食に作るフランスパンのトーストは、誰でもまねをしたくなる逸品。トースターで焼いたシンプルなトーストより、ちょっと手間がかかるけれど、こってりとおいしそう。こんがり焼き目のついたパンに卵の黄色、赤いものが見えるのは、ピーマンかトマトだろう。この配色もきれいで、食欲をそそる。 イタリアには、フランスともイギリスとも違った、イタリアらしいパン料理がいろいろある。グリルしたパンにオリーブオイルをぬり、ガーリックをこすりつけた「ブルスケッタ」。その上に、トマトとバジルをのせる。また、鶏のパテやオリーブのパテをのせた「クロスティーニ」。シンプルで素材感が生きているところは、イタリア料理全般にいえることだ。 |
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さて、イタリア女性は料理も上手だが、恋にも情熱的というわけで、ロレッタは、婚約者ジョニーがいない間に、ジョニーの弟ロニーと恋に落ちてしまう。情熱的なのはロレッタだけではなくて、彼女の父親の浮気や、叔父さん夫婦の恋物語まで、映画では軽くロマンティックに描かれている。すぐに縁起をかついだり、まずいことになると教会に懺悔をしに行ったり、デートではオペラに誘う……といったエピソードの数々もご愛嬌。 ロレッタは初めてロニーの家を訪問し、ひとり暮らしで心の満たされない彼のために、スパゲッティを添えたステーキを作る。ちゃんとエスプレッソ付きで。食べることを粗末にしない人たちなのだ。ロレッタの母親も、ひとりで外食するときでさえ、ちゃんとマティーニのアペリティフから始める。ロレッタ一家は、決して贅沢に暮らしているわけではないけれど、誰もが自分と、そして相手を喜ばせることをちゃんと知っている。人生を楽しむということは、高いお金を払ってレストランにいくことより、朝のトーストにちょっと手間をかけられるかどうか、ということなのかもしれない。 |